読書感想文
今朝、ゲゲゲの女房を見ていたら、娘の藍子ちゃんが、架空の思い出の作文を書いていた。という一節があった。
「おもしろければ、うそでもいいじゃない。」
一理ある気がする。
ある日、友人と話していたとき、「存在しない本で、読書感想文を書いて提出したことがある。」というツワモノがいた。
まあ、その人たちは架空の作曲家の話題で2時間飲み続けるという、ものすごい能力を持っていたわけですがね。
そんなわけで、夏休みということもあるし、私も読書感想文を書いてみようと思う。
電子の世界が見えた!〜「シュデンガーの独立方程式はこう語る」を読んで〜
2年5組 ホイコーロー
なぜ、ボールペンには赤と黒があるのか。なぜ、冷蔵庫は冷えるのか。なぜ、LEDは色々な色に光るのか。
全ての疑問に答えてくれるのが、シュデンガーの独立方程式である。あらゆる世の中の事象がこの複雑な方程式に集約している。
この本では、現代社会にはなくてはならない、この方程式がどのようにして生まれたかを、シュデンガーの人生感と共に書き綴っている。
私はこの本を読んで、あらたな方程式を見出すことができた。私は、世の中のあらゆる事象を、事前に予測することが可能となった。
独立方程式を手に入れたジュデンガーも同じ気持ちだったに違いない。すべての事象は自分の手のひらの上にある感覚だ。
ジュデンガーはその一生を生涯独身ですごした。それは決して、もてなかったとかそういうことではなかったと私は考える。
相手にどのような酸素濃度の血液が流れるか、方程式を使うことで導くことができる。酸素濃度がわかれば、相手がどのような気持ちに変化するのか。
こんなプレゼントが欲しいとか、どこに連れて行って欲しいとか、そのようなものがすべて、導き出されてしまう。
相手の気持ちが事前にわかってしまうことは、非常に息苦しかったのではないだろうか。
ジュデンガーは晩年、こんな言葉を残している。「私は世界のすべての事象を理解した。しかし、受け入れることはできないこともあった。」
方程式は現象を論じることはできるが、未来を変えるものではない。その葛藤が彼を悩ませていたのではないだろうか。方程式では人間は幸せになれないと彼は遺書に書き残している。
しかしながら、私は彼の考え方に異を唱えたい。私は人間の幸福も彼の方程式の中にあると考えた。電子がエネルギーを得て、伝導帯に励起する場合を考えれば、その答えは簡単に導くことができる。彼は電子の動きに立ち戻ることができなかったのではないだろうか。
ジュデンガーは20世紀を代表する、すばらしい科学者である。しかしながら、彼は科学者で留まってしまった。私は彼の考えを継承しつつ、なおかつ、応用者でありたい。応用者であって始めて、彼の方程式を現実社会にとって有意義なものにできると考えるからだ。
次回コラムは、ゼルツバーグ作「ザルバルクの崩壊」を取り上げる予定です。
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